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基準線はどこへいった。

前歯人工歯の選択基準は何か?何を選べば良いのかと質問されたことがある。
本来、患者固有のデータとしてドクターが咬合ロー堤に正中、上唇,下唇、口角線を記入することにより人工歯は選択されるものであったはずだ。少なくとも学校ではそう習ったと思うのだが臨床ではドクターから頂く試適後のロー堤のほとんどは正中線のみの記述であるためその作業のほとんどは技工士が模型の顎堤の大きさ、形 患者の年齢、性別を加味してそれらを決めなければならない。材料屋の立場で答えると売れている形態はC(コンビネーション)次にT(テーパー)となる。他にはS,Oなどの形態もある。想像と推測で作業を行う技工士さんたちはすごいものである。丸投げされた仕事への対応としてどうともとれる混合型のCという形態を使用することが無難になるからだ。義歯の皆様が同じ口元になるということは美しさや健康を叫びながら個性をないがしろにすることと気づかなければならない。目に見えない患者固有のデータを伝達するすべは最後には術者の「心」なのか。
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by ihs3365 | 2011-10-12 08:56

レジンよどこへゆく。

技工用歯冠修復レジン『シグナム マトリックス』がヘレウスクルツアー社から発売されました。
セラミックでしか成し得なかった天然歯の色調を自然に再現できるというもので、
通常色調再現はシェードガイドを用いますがシェードガイドの層構造は天然歯のそれとは違い人の眼の視覚的錯覚をうまく利用したもので、普段はこの積層法を用いて技工作業が行われています。今回のレジンは本来の天然歯牙の構造で作り上げることができる材料であることと、ペースト自体が天然歯のスペクトラム効果が酷似している点でこれによりレジンによる補綴は限りなく天然歯に近いものとなることでしょう。光重合レジンを初めて発売したクルツアー社らしくさらに進化したレジンであると思います。材料の進歩はうれしくそれを販売できることはありがたいのですが正直なところマニアックなものになりはしないか心配です。発売から1カ月となりますがご使用いただけるお客様は決して多くはありません。今の業界でのレジンの扱いではそこまで求められていないのが現実だと思います。どんなにレジンが進化してもセラミックが優位とされる現状でレジンの扱いは低いと云う思いは否めません。それでも購入いただいたお客様は実際に高い意識とレベルをお持ちの方ばかりです。それに追従したい意識と目標をもてる時代が再びと願います。
ゲンゴローまさき
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by ihs3365 | 2010-09-21 09:54 | とりとめのない話

まだまだ現役

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ヘレウスクルツアー社の技工用光重合器デンタカラーXSのパーツ供給と修理を終了するとの連絡があった。発売されてから25年、すでに販売が終了して13年も経過しているにもかかわらず現役で稼動している医院、技工所の何と多いことか!ユーザーへの報告が忍びない。思えば社会人1年生で勤務先の院長から「光で固まるレジンが出たようだ。」との話でセミナーに参加し化学の進歩の凄さを実感したのであった。その後、硬質レジンの歴史は温熱、加圧などの重合システムから光重合へと取って代わるのである。その草分けといえるメーカーの特に前装冠の保険導入時の礎を築いた機器であり技工技術を大きく成長させる原動力となったのである。今、販売する側となり実感する「力のある商品はコマーシャルをしなくとも一人歩きする」その言葉どおり沢山の皆さんに愛され活躍した商品であった。後続機種はいくつか出ているのだが、アフターフォローが終わっても壊れるまではまだまだである現役はまだ過去の物とは言わせない。思いは複雑であるが、私の人生の歴史と重なるこの機器に頑張れと陰ながら声援をおくりたい。

<ゲンゴローまさき>
by ihs3365 | 2008-04-07 16:47