37年前の自分に会う。

映画「沈黙-サイレンス」が上映されていて懐かしさと共にしまいこんでいた本を思い出しました。これはいくつかの遠藤周作の作品を読んでいた自信の無い高校生の頃の1冊でその宗教観は私に大きな影響があったと思います。少し老眼がかったこの年齢の今、酸化して茶色に色あせた本を再び開いてみると閉ざされたページにその時の空気がそのままで置かれていたようでした。100ページほど読み進んだところでシャープペンシルの薄く細々と引かれた波線が目に入りました。弱弱しい自信の無いその線はまさにその頃の私であり自身のものに間違いはありません。司祭が牢屋で回顧する場面で「罪とは、、」に引かれた線の1文を何度も読み返しました。なぜこんなところに線を引いたのか、何に悩んでいたのか今では思い出せませんがなぜかその頃の自分が愛おしく思え、不思議に嬉しい気持になりました。37年前の自分と重なった瞬間、すべてを知っている存在は将来に不安だった頃の自分を微笑みながら見て「大丈夫だよ。あなたは37年後も生きているのだから」と教えてくれていたのでした。




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by ihs3365 | 2017-02-21 10:42